love letter # 49 咀嚼

真理を求めて

ぼくは急ぎ足でページを捲った

ペラペラと要点をつかもうとした

目新しいものや

見た目や聴こえがいいものを選んで

記憶に刻んでおこうとした

ふわっと生まれた感情は

感じられることなく

宙に浮いて消える

同じようにぼくは

よく噛まずに食事を飲み込む

その味を味わうことよりも

頭を回転させている

ここにはない何かを求めている

濃い味つけや

刺激的な味つけで

ふと我に返り

味を感じたりする

たいして味わってない

でもその割にたくさん食べる

こうして

真理を求めているようで

真理から遠ざかっている

たくさんの本を

駆け足で読んで

忘れていくことで

明日には覚えていない

今日の食事を

せわしなくかきこむことで

一時の空腹だけを満たしている

真理を求めているようで

真理から遠ざかっている

たぶんその1ページの中に

あるいはその一食の中に

いつだって真理は存在していて

記憶に刻もうと

メモをとる必要なんてなくて

本当は全部識っていて

大事なことは思い出すこと

風のように新しいものを

次から次へと探しては

何かを偽って隠して

真理は

いつもその姿を顕しているのに

遠ざかっていく

7回繰り返して読めば

30回噛んでから飲み込めば

ぼくは思い出すのかもしれない

記憶に刻む必要なんてないのかもしれない

何かを感じるのかもしれない

 

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