love letter # 88 あるがまま

見られたくないのに見られたい

本当は見てほしいのかもしれない

だけど本当のことは見せしない

どこまでが虚構で

どこまでが真実なのか

その境目が曖昧なところで

誰も嘘と気づかないところで

誰も本当とは思わないところで

ただ在るがままを見せたいのかもしれない

 

 

love letter # 87 僕にしかわからない

眼の前で色んな事が起こっている

理不尽なことも

笑えることも

自業自得なことも

興奮することも

原因不明なことも

ラッキーなことも

胸が痛むことも

心が弾むことも

不安になることも

心温まることも

不可思議なことも

色んな事が起こっていて心は忙しい

そのひとつひとつに一体どんな意味があるかなんて

それは僕にしかわからない

 

 

love letter #86 生きている感じ

生きていても

死んでいる感じがすることがある

死んでいても

生きている感じがすることもある

せっかく生きているなら

ちゃんと生きていたいと思う

生きている感じを

感じながら生きていたいと思う

いつか死んだときに

まだ生きているような

そんな風に生きていたいと思う

 

love letter # 85 4万歩

金曜日の夜になると

その夫婦は週末の予定をふたりで考える

一日はぶらぶらと歩いて過ごし、あと一日は家でゆっくりと過ごす

もうそんな週末を20年以上も過ごしてきている

夫は博物館のチケットを持っていたので

博物館の近くで良さそうなランチを探す

妻が博物館の展示だけでは動かないことを知っているから

美味そうなイタリアンを見つけて

「明日はイタリアンでもどうだろう?」と声をかける

夫の本当の目的がイタリアンではないことは妻も知っているが

グルメサイトの本格窯焼きピッツァを観て「あら、いいね」という

偶然だが、つい先日近所の奥さんと話題になっていた店だった

「ついでに博物館にも行かないか、チケットがあるんだ」と夫はさり気なく誘う

「そうねぇ」と妻は最初から断る気もないが少し焦らす

翌日ふたりは話題のイタリアンでランチをし、古代の民族衣装や装飾品を集めた博物館の展示を周り、ぶらぶらとウィンドウショッピングをしながら自宅まで歩いた

こんな風にして週末は2万歩、二人合わせて4万歩ほど歩く

「おれたちが今まで歩いた距離を計算すると、地球を何周もするんじゃないかな」と夫は言う

「気が遠くなるわね」と妻は笑う

 

 

love letter # 81 星

たったひとつ

本当に忘れてはいけないものを

握りしめて

星は生まれ落ちた

あなたがあなたであるがゆえの

あなたがあなたであるための言葉を

だけどあなたは忘れてしまった

いろんな言葉を覚えたけれど

いちばん大切な言葉を忘れてしまった

無数の星空の中に

ひときわ輝く星がある

それはあなたを生んだ星

星と繋がる鍵となる

 

 

 

 

 

 

love letter # 79 じぶんの一番の願い

じぶんの一番の願いを放ったらかして

二番、三番の願いを叶えようとしている

じぶんの一番の願いを放ったらかして

誰かの願いを叶えようとしている

そんな自分もいいけれど

じぶんの一番の願いを叶えることで

多くはないけれど、

他の誰かの願いも叶えることができたら

そんなにかっこいいことはないかもしれない